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税金対策と融資の関係。融資を受けやすくするためには適度な納税も必要です。


毎年毎年、会社員でも事業主でも払わなければならないお金。そう、税金です。会社員の税金は会社が源泉徴収してくれて、年末調整で数字を合わせて還付してもらうという流れなので、精々保険会社からの保険料控除証明書と住宅ローン控除書類を用意するくらいで手続きは終わると思います。

しかし事業主は所得税に加えて、事業税や多くの場合消費税を支払っています。毎年確定申告や、決算で税額が決まってこんなに払うのか・・・と思ってらっしゃる経営者様も多いと思います。

そのため、決算期若しくは確定申告の前に節税対策をしてできるだけ利益を出さないように調整している会社も多いのではないでしょうか。

もちろん税金を無駄に支払いたくない気持ちはよくわかりますが、もし融資を受けるつもりがあるのであればできるだけ利益を出すようにした方がいいと思います。

なぜなら金融機関には自己査定というものがあり、年に一回貸付先の決算書を分析して債務者区分を決めているのですが、債務者区分によっては新規の借入ができない場合もあるからです。この債務者区分というものが、5段階に分かれていて、上から順に

・正常先

・要注意先

・破綻懸念先

・実質破綻先

・破綻先

となっております。因みにこの自己査定というものは金融検査マニュアルというものを基に行われる金融機関側による貸出企業の評価なのですが、令和元年12月に金融検査マニュアルは廃止されています。しかしながらこの考え方が全て廃止になっているわけではなく引き続き多くの金融機関で踏襲されています。

この債務者区分のうち融資を受ける為には要注意先までに区分される必要があるのです。もっと言うと、要注意先でも業況が悪く3ヶ月以上の融資の延滞、条件変更をしている先は要管理先という区分があり、要管理先は融資を受けれらません。

この債務者区分は決算書の評価だけで決まるものではありませんが、事業の将来性や成長性、代表者の資質等定性面の評価は実際のところほとんど加味されていないのが現状です。その為定量面での評価を上げる事で債務者区分を要注意先(その他要注意先)まででとどめておけるように、可能な限り利益を計上する事が望ましいと言えます。

貸借対照表の純資産の部に計上される資本金、資本準備金、利益準備金、繰越利益剰余金。特に利益が出ることで上積みできるのは利益準備金と繰越利益剰余金です。ここを厚くすることで、企業の健全性を確保することができます。反対に純資産の部が資本金を割り込んだり、純資産がマイナスになった場合は注意が必要です。資本金を割り込んだ状態を資本毀損、純資産がマイナスの状態を債務超過といいます。

いずれの状態も赤字が出ている事がわかりますが、債務超過の方が重症となります。資本毀損の場合は債務者区分は要注意先でとどまる可能性が高いですが、債務超過の場合は破綻懸念先に分類される可能性もあります。

税金を払いたくないばっかりに毎期赤字続きにしてしまっても債務者区分にとってはマイナスにしかなりません。たとえそれが少額の赤字であってもです。

要注意で留まればまだ借りられるんでしょ?と思うかもしれませんが、確かに借りられる可能性はあると思いますが、審査が厳しくなるのは明らかですし、承認が下りるかどうか蓋を開けてみないとわからないくらいぎりぎりの内容だと資金繰りの計画も立てられません。また計画を立てていたとしてももし審査が否決になった場合根底から資金繰り計画が覆ります。

その為できるだけ将来の透明性を確保する為に決算書の内容をよくしておくことが、資金繰りにおける社長の精神衛生を健全に保つことにつながるのです。

ある程度繰越利益剰余金などで純資産が厚くなってきてから税金対策をするのはいいと思いますが、業歴がそこまでない場合、業歴はあるが、利益の積み上げができていないうちは過度な節税を考えず、事業を長く続けるための下準備として利益をより多く計上することを念頭に置いていただく事も経営判断としては重要な事だと思います。


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