何をするにも準備が大事です。学習にしても仕事にしても基準となる計画があるのとないのでは一日の過ごし方が変わってくるという経験をしたことがある方も多いのではないでしょうか。タイムスケジュールだったり、その日一日、または1週間、1か月間のタスク管理だったりと、これをするかどうかで無駄な時間を省けて効率良く仕事が進められると思います。
事業においても同じで、会社のあるべき姿やなりたい姿を想像しその姿に向かって行動する方が目標に到達できる可能性は高いと感じます。
しかし、会社の計画というと事業計画というかしこまった形のフォーマットを決めて書面に落とし込みをしてといった感じで考えるだけでも億劫になってくる方もいると思います。事実、事業計画を一から作るのは大変です。今までの会社の財務諸表を分析して、取引先状況の把握や今までの行動の見直し、アクションプランの作成、資金繰りの管理などそれぞれをリンクさせて具体的であってかつ現実的なものを作らなければならいのですから。
融資を受ける場合に金融機関から求められて事業計画をつくったという方もいるといらっしゃると思いますが、とりあえずの数字を置いて作成したという方も多いのではないでしょうか。融資を目的とした場合は、その一回の融資が下りればそれでも作った意味はあるのかもしれません。
しかし、継続的な支援を受けたいと思ったときに最初に提出した事業計画と現在の状況があまりにも乖離していたら金融機関側からするとどう感じるでしょうか。
全然計画通りじゃないし、どうなっているんだろうと疑問に感じますよね。加えて毎期10%、20%の増収増益のような右肩上がりの計画はその時点で何となくやっつけで作ったんだろうなとわかります。皆さんもお分かりだと思いますが、10%、20%の成長を毎期継続するのはとても難しいですし、成長するにしても浮き沈みはあるものです。
じゃあどうやって作るの?
上記は建前としてこうあるべきという意味で書きましたが、実際のところ最初の作り出しの時期は粗い計画でいいと思います。そもそも計画通りに全てうまく進むものではありません。なので、特に創業融資などは10%、20%の増収増益の計画を出してきても金融機関、保証協会からするとそこまで厳しく突っ込んでは来ないと思います。むしろ、スタートから保守的な計画を出すよりマシです。
ただその粗い計画の中にも可能な限り数字に根拠を持たせることは必要だと思います。例えば飲食店の場合に席数が20席で、客単価が数千円で一日何回転するといった事はお店の業態、場所などから一定程度の予想はできると思います。そのような理由を織り込みながら作ると粗いながらもこの数字には根拠はありそうだなとなるわけです。
その上で大事になってくるのは、計画と実績の乖離を見直すことです。ここをしない会社は実はものすごく多いと思います。実はその後の見直しこそが大事になってくるのです。
なぜ見直しが大事か
それはシンプルに見直しをしないと何が良くて何がダメだったかわからないからです。そして計画自体の見直しができないからです。この計画と実績の管理を予実管理といいますが、これをすることで、何を継続して取り組むべきか、見直しをするべきかを把握して翌期以降のアクションプランとしていけばより良い方向に事業が前進していくと思います。そしてこれを繰り返していけば、勘所が鍛えられていき事業計画の作り方も上手くなっていくと思います。
またSWOT分析といった外部要因と内部要因、自社の強みと弱みを把握してどの分野を積極的に推し進めるか、又は改善していくかなどを分析することも効果的だと思います。下記はSWOT分析のフォーマットです。
このようなフレームワークを使って事業計画やアクションプランを練っていく事も計画作成の一助になります。
結論
結論としては、どんなに粗くても一度試しに作ってみる事が大事だと思います。そして作りっぱなしにしない事。最初から精度の高い計画を作ろうと思うから億劫に思うのですが、もう少し事業計画というもののハードルを下げてあげると作りやすいのではないでしょうか。一旦作ってみて、見直し、見直しを繰り返していくと段々と実態に即した計画が作れるようになると思います。非常に骨の折れる作業だとは思いますが、事業に線路を敷いてあげるような意識で取り組むといいかもしれないですね!
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