デットエクイティスワップとは何でしょう?文字通り読んでいくとデット=負債、エクイティ=株主資本、スワップ=交換という意味です。一言で言いうと「債務の資本化」。要するに借入金を資本金に振替て自己資本を厚くするというもの。よくあるのが、社長借入を株主資本と交換して、資本金又は資本準備金(2分の1未満)に振替し社長借入をなくす処理です。
これのメリットは?
メリットとしては下記の点です
- 自己資本比率を高めることができる。
- 債務超過の解消が見込める
- 借入返済の必要がなくなる
- 利息負担がなくなる
このように企業の財務内容が良くない場面で効果を発揮するスキームであります。中小企業では社長が自己資金を会社に投入しているケースが多くあります。それも会社によっては数百万~数千万と多額の資金を投入している場合もあります。この社長借入金を資本に振り替えることで、資本毀損・債務超過が解消され、決算書の見た目も非常に良くなります。金融機関の格付けが変わるかといわれれば、恐らく通常の手順で自己査定をされていれば、既に社長借入は自己資本に加算されている状態で格付けが出ているので、変わらない可能性が高いかと思います。しかし、決算書の見た目が良くなるのは非常に重要です。金融機関の担当者も決済権限があるわけではないですが、まずは担当者ベースで前向きになれるかどうかは融資を引き出す上で非常に重要になってきます。
デメリットは?
デメリットとしては以下です。
- 社長からすると、貸付ではなくなるので株を売るまで自己資金が返ってこない。(自己資金が拘束される)
- 債権(貸付金)の時価評価次第では、債務免除益を計上しなければならないので、繰越欠損金でカバーしきれない債務免除益が出た場合は法人税課税される。
以上の様なデメリットもありますが、会社側から見れば今までのマイナス分を帳消しにできるので再建途中の企業にとっては意味のある方法だと感じます。また建設業の様に財産要件として500万円以上の自己資本を求められるケースでも社長借入があればこの要件を満たせる場合もあると思います。
企業再建フェーズにおいては財務内容の改善を図って資金調達の目途を付けたり、返済負担の軽減を図る事はとても有用です。一面的なメリットだけではないですが、あの手この手を考える中で是非とも引き出しを多くもっていてほしいと思います。
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