コンプラコンプラと巷では事あるごとに言われる昨今。ちょっといい言いづらいことを求められた時に冗談交じりにコンプラが~といって濁す便利な言葉の様にも使われていますが、コンプラ違反は時に大事になります。コンプライアンス=法令遵守と和訳されますが、守らなければならないのは法令だけではありません。社会的規範やモラルなども含まれると考えられます。
法令遵守は社員一人一人に課せられた義務のようなものですが、これはある種守って当たり前ともいえるルールです。しかし、色々な要因でルールを破ってしまう事が日常茶飯事に起きています。例えば、最近ニュースを賑わせている赤い銀行の貸金庫の事件もそうです。当事者は役席であり普通に生活する上では困らないだけの給料もあったと思います。しかし、投資の損失補填という誘因が起きてはならない事件を起こしました。通常の銀行員のモラルであればそのような横領をすることは考えられません。常識的にやってはいけないという意識も当然ありますが、定期監査や抜き打ち監査がある事を知っているので、いずれバレると普通は思うからです。この件に関しては管理者が自身だけであったりとなかなか他者の目が入りずらい環境だったという事もあって数年間明るみには出ませんでしたが、結局はご存じの通り大事になっています。
さすがにメガバンクがこのことだけで倒産する事はないでしょうが、これが中小企業の様に国の後ろ盾もなく財務基盤も脆弱な場合は倒産に直結する可能性は相当程度あると考えられます。もちろんコンプライアンス違反の中身の大小によって影響の程度は違いますが、いずれにしてもいいことはありません。企業の信用問題にもつながりますし、違反者においては懲戒を受けることになります。(注意で済む場合もあるかもしれませんが)
社員の不正だけでなく経営者も粉飾決算などで財務状況を偽ったり、脱税をしたりと色々な不正に手を染める可能性があります。これらコンプライアンス違反が要因で実際に2024年は388件の倒産があったそうです。事業がうまくいっていない、投資がうまくいっていないなどそれぞれ悩みはあるかと思いますが、一度不正に手を出してしまうと取り返しのつかない事に発展するリスクもよくよく考えてほしいと思います。最初は軽い気持ちでというところからスタートするのでしょうが、笑い事ではなくなってからは本当に笑えなくなります。下記は各年のコンプライアンス違反を原因とする倒産の内訳です。
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元記事:2024年のコンプラ違反倒産 2年連続過去最多の388件 ~「粉飾」倒産が過去最多 コロナ関連の「不正受給」も急増~(帝国データバンク) – Yahoo!ニュース
ここ最近は倒産件数が増加傾向ですね。業法違反を除けば、件数の多い粉飾、資金使途不正、脱税、不正受給といずれもお金にまつわる不正です。ここから予想するに、お金に関する事は信用に与える影響が他の不正に比べて甚大なのだと思います。
取引先への影響によって売上が下がる事もありますし、金融機関からの資金調達が止まってしまう事もあり得ます。またハラスメントにおいても最近はより厳しくなっていますので、噂が広まれば採用が難しくなったり、管理職が処分されたりなど少なからず事業運営上影響はあります。
必ずしも全員が全員聖人君子である必要はないと思いますし、図らずもうっかりルールを破ってしまうこともあるかもしれません。ですが、コンプライアンス違反によって会社が潰れてしまう可能性がある事もしっかりと認識していただければと思います。不正はいつかバレる!
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