SBS行政書士事務所

神奈川県の銀行融資診断士資格を持つ金融出身行政書士!

初回相談無料!関東圏内対応!


SBS行政書士事務所

神奈川県の銀行融資診断士資格を持つ金融出身行政書士!

初回相談無料!関東圏内対応!

財務と税務の違いが判りますか?似ているようで違うんです。


財務と税務。似たような言葉ですし、会計分野という意味はでは共通しています。どちらも最終的には情報の開示という意味でも共通です。しかし、この2つは目的そのものが異なります、税務が適正な税務申告を目的するのに対して、財務は投資家や債権者、金融機関などの外部の利害関係者会社へ会社の財政状態や経営状況を報告することを目的としています。

法人税法に準拠して行われるという事はつまり、法人税を正しく納付する為の計算をすることを目的としています。顧問税理士さんがやってくれる計算はこちらの税務会計です。なぜ税務会計というものがあるのか。それは会計基準に則って作成される決算書等の計算書類と税金を計算する為の法令である法人税法には隔たりがあるからです。その隔たりを調整する事が税務会計というわけです。企業のステークホルダー(利害関係者)は会社規模や組織によって異なりますが、基本的には大企業は株主や国税庁、金融庁等など多数の利害関係者がいるのに対して、非上場の中小企業における利害関係者は税務署、若しくは金融機関くらいなものです。金融機関はあくまでもできた決算書を見るだけなので、中小企業では税務(税務署)に寄った計算書類が作られているという実態があります。

一方で財務会計では一般的に会社法若しくは金融商品取引法に準拠した計算書類を作成する事が求められています。誰の為の計算書類かといえば、主には投資家や債権者などの利害関係者の保護を目的とした計算書類の作成が求められています。どういうことかというと、投資家が適切な投資判断に利用できるように、債権者であれば適切な取引関係が行えるかどうかの判断の基礎となる計算書類が求めらているのです。要約すると財務会計には他に以下の目的を包含していると考えられます。

  • 資金調達の円滑化(出資、借入いずれも)
  • 取引先との関係構築
  • 経営判断の基礎

とりわけ中小企業においては資金調達の円滑化は重要で、金融機関に対してどういう経営報告ができるかは計算書類(財務諸表)の占める割合が非常に大きいのです。その為どういう決算書の形で見せればいいかという点では税務とは異なる視点だと思います。端的に言えば税務は税金の計算が目的なので、納付する税金計算さえ合っていれば目的は達したことになります。(税理士の先生がもし見てくれていたらすいません、そんなに単純じゃない事は百も承知です。あくまで端的に表現したまでです)

一方で財務では金融機関や、取引先、経営判断に利用される計算書類という事で、税金さえ合っていればいい決算書だねという事にはなりません。例えば、財務分析一つとっても、もう少し在庫減らした方がいいとか、借入を減らした方がいいとかの方向性を見る為にも使われますし、財務的な視点としては社長への貸付金を計上しない方がいいだとか投資家や金融機関含めた取引先を対象にどうみられるのがいいかという視点を持った会計になります。

作成する書類としては税務会計だけでいいです。というより顧問税理士の先生も税務申告の為の書類作成前提としているので、それ以外の書類はそもそも想定してないと思います。(大企業(上場企業)を顧問先に持つ税理士事務所、税理士法人はまた違います。法令に即した会社法会計や金商法会計の計算書類の作成が求められます。)

しかし、社長には是非財務の視点も持ち合わせてほしいのです。税務申告の為の計算書類ではなく、過去の実績から現在の状態を読み解き、将来どうなっていくか、どうなりたいかを想像して会社の発展につなげていく事ができるのが財務会計、財務の視点です。税理士の先生は税務のプロです。当然決算書の作成に関してもプロです。そして簿記論、財務諸表論という試験科目の特性上財務に関する知見はやはり高いです。しかし、財務的な視点をもって顧問先対応をしているかというとみんながみんなそうではないですし、顧問先の数が増えれば税理士資格を持った先生が顧問先に対応できる時間も限られていくのでより深い財務の話は難しいケースもあるでしょう。そういったことも踏まえて税務と財務の違いを認識していただければと思います。財務と税務、似てるようで似て非なるものであることが少しでもお分かりいただければ幸いです。


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

PAGE TOP