中小企業においては本業となるビジネス1本で勝負をしている会社も多いことと思います。一点突破という意味ではそれもいいと思うのですが、もっと売上を上げたい、業況の底上げをしたいという社長もいらっしゃるのではないでしょうか。例えばWEBマーケティングを主業としている会社が自社でECサイトを持ち商品を販売するといったように事業の多角化を検討される会社もあると思います。今の事業とは違う事業を始める事を多角化といいます。この多角化にはいい面も悪い面もありますのでいざ始めるにもしっかりとした計画が必要になります。
本日はその中でリスクマネジメントについて記事を書いて行こうと思います。
リスクにはどんなものがある?
その前にどんなメリットがあるのかも少し記載していきたいと思います。
事業の多角化については収益の柱をもう一つ作ることを目的としているので、動き出したら売上が増加するところにメリットがあります。また既存の事業に関係のある事業を始める場合にはある程度既存事業の知見を活かして始める事ができるので、シナジー効果が期待できます。また始めた事業が順調に成長する事で会社としてはリスクヘッジにもなります。なぜならどちらかの事業で取引先からの契約を急に切られてしまって売上が立たないという状況になっても、片方の事業がまだ動いているので急に仕事がなくなるという事はありません。時間稼ぎができるイメージですね。このようにメリットは確かにあるのですが、その反面気を付けなればいけない事が下記です。
- 追加で資金が必要
- 人材の確保
- 事業ごとの管理が必要なので手間がかかる
- 企業の事業ドメインが不明瞭化する可能性がある(ブランドイメージ)
上記のリスクをどの程度許容して事業を始めるかという事が非常に大事になるかと思うのですが、どのリスクも結果的に資金繰りに直結するものです。1は事業そのものに係る資金、2は人件費、3は時間コストや外注に出す場合はその費用、4はブランドイメージの低下による売上減少という風につながっていきます。
その為資金繰りを回すために自己資金を貯めるか、借入をするかして資金手当てをすることになります。いずれかの方法で資金が用意できたら準備万端といっていいでしょうか。私はここでしっかり資金繰り表を用意してほしいと思います。あまりいい表現ではないのですが、資金繰り管理をしていない会社はあっという間に資金を溶かすことがあります。もちろん無駄遣いしてるわけではないでしょうが、資金管理をしっかりしていないとイケイケドンドンであっという間に資金が枯渇していきます。
かといって資金繰り表だけあれば全て解決というわけではありません。事前の計画・予算作成・資金調達などの準備が整った上で資金繰り表による資金管理を行う事が重要です。頭で管理するには限界がありますし必ず漏れが出てきます。漏れなくダブりなく管理をするには表を作るのが一番適切だと考えます。
多角化においては資金管理を行わないと既存事業で本来使うはずの資金がいつの間にか新事業の方に吸い取られていて、気付いた時には資金繰りに困窮するという可能性が出てきます。資金管理をしたからといって事業がうまくいくかどうかわかりませんが、資金管理をしていればどこかのタイミングで撤退という意思決定もできると思います。どのタイミングで撤退を決めるのか決まっていれば傷口は最小限で食い止められます。
多角化は前向きな事業展開だと思いますし、資金調達もしやすいと思います。なのである程度勢いは大事だと思いますが、しっかりとした計画に加え、その後の管理も行う事でリスクを抑えながら事業を進めていってほしいと思います。
コメントを残す