資金繰り改善を考える上でまず支出の見直しは皆さん考えると思います。大きな金額は洗い出しし易いですよね。仕入れ、役員報酬、人件費、外注費など多くの会社で金額が大きくなる項目だと思います。しかし、仕入れや人件費を安易に削る事はお勧めできません。外注費にしても内製化できないから外注に出しているわけでなかなか削る事は難しいと思います。そうは言って何かを削らなくては資金繰りは改善しない。そんな時には小さな項目にも目を向ける事も必要ではないでしょうか。
何に目を向けるべき?
まず前提として、これをすればいいという話ではないのでここで挙げる事が必ずしも正解というわけではありません。しかし、選択肢として見直してもいいのではというものをご紹介致します。
まず目を向けるべきは販管費、そして売上に直結しないものを中心に削減を見ていく事がよろしいかと思います。そして毎月固定で発生する項目がベターです。いわゆる固定費という項目。例えば、
・毎月定額のサブスク
・家賃
・光熱費
・人件費
もっとあると思いますがこの辺りがパッと思い浮かぶ項目かもしれません。この4項目の中でサブスク以外はそう簡単に削減できないかもしれません。しかしランニングで毎月支払わなくてはいけないものなので、可能な限り検討した方がいいと思います。その上で細かく見ていくと、家賃に関しては今よりも家賃の安いオフィスへの引っ越しや環境が許すのであればシェアオフィスなども検討対象になると思います。個人情報の観点からしっかりとしたセキュリティを担保しなければならない会社もあると思いますが、社員全員が入りきるオフィスが必要ない場合もあると思います。管理部門だけ本社としてオフィスを借りて営業は外に安いシェアオフィスを借りるなどして費用を抑える事もできると思います。
光熱費もオフィスの規模が小さく成れば必然的に掛からなくなります。またシェアオフィスの場合は光熱費込みのレンタル費用なので場合によっては総額で費用が下がる事もあるかもしれません。
人件費に関しては結論から言うと正社員としてではなく外注化の検討ができるのではないでしょうか。人を削るのは心情的にも心が痛むところです。それに手が足りない中で人を切って仕事が回るかという心配もあるかと思います。しかし背に腹は代えられない場合もあります。その中でも管理側の人間が削減対象になる事は今までの記事でも記載してきましたが、ただ単に人を削減しても誰かがその仕事を引き受けなければいけません。それを踏まえた上で、外注として働いてもらう又は他の方で同じような仕事をしてくれる方を外注で雇うという方法です。正社員として雇っていてもその方が担当している仕事が本当に全て必要かどうかを検討し、もしなくてもいい作業があれば削減した上で必要な作業だけに限れば今までのお給料よりも安い外注費で契約できるかもしれません。また加えて社会保険料の削減もできます。
これら固定費の削減を検討した後それでも足りなければ接待交際費や、旅費交通費などの変動費が過大な部分について削減できる方法を考えるのがいいのではないでしょうか。
税金の支払いも削減できるかも?
販管費に限らず色々とみていくと税金ももしかしたら削減できるかもしれません。
そのうちの一つに印紙税があります。
詳細は割愛しますが、印紙税とは課税文書をやり取りする場合に支払うものです。例えば契約書や領収書などがあります。これは取引金額が大きくなれば印紙代も高くなるのですが、取引量が多くなればそれもまた支払い金額が増えます。そういったときに検討してほしいのが電子契約書や領収書。書面でのやり取りには印紙税が必要ですが、電子契約書は課税文書とはならない為に印紙代が節約できます。1万円以下は非課税ですが、1万円以上から最低でも200円かかります。取引量が多い場合は検討の余地はあるのではないでしょうか。
また削減はできないですが、支払いを遅らせることはできます。国税の猶予制度を使えば分割納付や1年以内の延納が可能です。支払いまでの時間稼ぎですし、延滞税はかかりますがその支払いまでにできた時間で何か抜本的な経営改善に取り組めるかもしれません。そういった意味ではこれもまた利用価値があると思います。
まとめ
支出の見直しは資金繰り改善に関係なくどのような会社でも無駄を省く意味でも必要だと思います。しかし、どんな経費も安易に削減してはいけません。特に売上に関係する経費はより慎重になる必要があります。その上でちょっと見方を変えてみてほしいと思います。経費項目を1つ1つ見ていき、これは必要か必要じゃないかだけではなく、その経費は払わなくてもいい方法はないか、安い何かに置き換えられないか。いる、いらないだけの視点だけだと削減できるものも限定的なものになりますが、ちょっと工夫すれば払わなくてもいいものがひょっとしたらあるかもしれません。
こういう事は一人で考えていてもなかなか発想の転換が難しいと思います。日々の仕事や生活の中で可能な限り人とコミュニケーションを取り何かヒントはないかとアンテナを張っていく事。これが必要な事ではないでしょうか。
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